投稿日時 2012-08-05 20:14:08 投稿者 賀茂史女 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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六月 第参部 東征 五 飯高館より 結局、小角は田村麻呂と多気へ向かう事になった。 日が暮れかけた街道を、二人は馬達が楽しげに駆けるに任せた。 蛍はそれほど脚が早くもなく、劔(からたち)は幾度も立ち止まっては振り向き、田村麻呂はその度に劔(からたち)がするに任せて馬首を廻らせて立ち止まった。 西陽は二騎の影を往く方へと長く落としていた。 深紅の位襖の田村麻呂が、栗毛の劔に跨がり、夕暮れの日差しの中振り返る姿が、絵のように美しいと小角は思った。 小角を乗せた蛍は、劔に追い付くと顔を寄せ合ってはまた駆け出した。 |
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