投稿日時 2012-03-11 15:53:40 投稿者 賀茂史女 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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この御世に、免寸河の西に一つの高樹ありき。 その樹の影、旦日に當たれば、淡道島に逮び、タ日に當たれぱ、高安山を越えき。 故、この樹を切りて船を作りしに、甚捷く行く船なりき。 時にその船を號けて枯野と謂ひき。故、この船をもち旦夕淡道島の寒泉を酌みて、大御水献りき。 この船、破れ壊れて塩を焼き、その焼け遺りし木を取りて琴に作りしに、 その音七里に響みき。 ここに歌ひけらく、 枯野を 塩に焼き 其が余り 琴に作り かき弾くや 由良の門の 門中の海石に 觸れ立つ 浸漬の木の さやさや とうたひき。 こは志都歌の歌返しなり。 |
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